LAST HURRAH


SXSW 2000

MY HIGHLIGHTS OF SXSW 2000
市内約40軒のクラブでくり広げられるショウケース・ギグを駆け足でレポート
TEXT & PHOTO BY TOMOO YAMAGUCHI


03/14/00 TUE
  SXSW前日。航空券が取れなかった為、シアトル→ミネアポリス→オースチンと2回も乗り継ぎ、やっとオースチンに到着。ホテルにチェックインして地元の音楽チャンネルを見ていると、今夜、あるイベントにビーヴァー・ネルソンとウィスキータウンのライアン・アダムスが出演するとインフォメーションが流れる。これは行かねば! と長旅に疲れた(オレ、ホントに飛行機嫌いなのよ)体に鞭打ち、会場であるホール・イン・ザ・ウォールに着くと、ウォルター・サラス・フマラとマイケル・ホールによるイベントであることが判明。ビーヴァー、ライアンの他、ヘイゼルディーン、ジム・ロール、ジョン・ディー ・グラハムら計12組が出演。なかなかに渋いラインナップだ。

  しかし、この夜のハイライトは何と言ってもライアン・アダムス。まず、尋常ではない注目のされかたにも驚いたけれど(ライアンの出演時、店内の混雑はピークに達した)、とにかくその歌声が圧倒的! ライアンが歌い出すと、それまでざわついていた店内が一瞬にして静まり返る。その瞬間は、もう鳥肌もの。背後で「彼は天才だよ」と囁く声も聞こえた。たった3曲の演奏だったけれど、僕は大満足。ライアンが歌い終わると、店内の客は半分に減っていた。

RYAN ADAMS
RYAN ADAMS


  そして、このイベントのトリを務めたビーヴァーも、あと一曲で終わるというのに無情にも「閉店時間だ。演奏を止めろ」と迫る店のスタッフを無視して根性で「FORGET THINKIN'」を歌いきった。

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03/15/00 WED
Troy Young Campbell
Mayflies USA
Pete Krebs
Damnations TX
Richmond Fontaine


  SXSW第一日目はトロイ・ヤング・キャンベルでスタート。バンドを率いて、アコーステイック色濃いソロ・アルバムの曲を熱いロック・バージョンで演奏。予想以上に激しいアクションも実に決まっていた。

  ギター・ポップのメイフライU.S.A.は思ったより骨太の演奏を聞かせてくれた。ただ、マネージャーなど仲間に囲まれ、内輪で盛り上がるライヴは良くも悪くもカレッジ・バンドのノリ。それと歌はもっと練習するべきだろう。せっかくいいメロディを書いているのに歌が下手すぎて全然、生かせていない。

PETE KREBS
PETE KREBS


  ピート・クレブスは弾き語りで淡々と演奏。ダムネイションズTXは地元だけあって大人気だった。エイミーのベースはあいかわらず、いいノリしている。僕は彼女のベース・プレイ、大好きだ。そしてリッチモンド・フォーンテーン。機材のトラブルに納得できなかったのか、トリであることをいいことに終了時間などお構いなしに演奏しまくった、しまった。マネージャーが店のスタッフに呼ばれていたけれど、大丈夫だったんだろうか?

  今年は一日目からかなり濃い。

DAMNATIONS TX
DAMNATIONS TX


RICHMOND FONTAINE
RICHMOND FONTAINE


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03/17/00 THU
Derailers
Tim Easton
Jennyanykind
Fastbacks
John Doe Thing


DERAILERS
DERAILERS

  夕方、そぼ降る雨の中、ウォータールー・パークで行われたフリー・コンサートでディ レイラーズを見る。ポップなホンキー・トンクはなかなかにゴキゲンだ。しかし、この連中のファッション、演出なのかマジなのか、ちょっと理解に苦しむ。う〜ん、首にまいた赤いスカーフ…。この後、ハンクVを見たかったんだけれど、雨足が強くなり断念。

TIM EASTON
TIM EASTON


  夜の部の一発目はティム・イーストン。去年見た時は、それほどいいとは思わなかったけれど、今年はメチャメチャいい。ボブ・ディラン風ありロカビリーありパンク風あり。彼のエネルギッシュなパフォーマンスは特にハードな曲で映える。演奏終了後、ちょっと話したんだけれど、なんと彼、幼い頃、父親の仕事の関係で広尾に住んでいたそう。実はお坊ちゃん?

JOHN DOE
JOHN DOE THING


  そしてこの日のハイライト、ザ・ジョン・ドォ・シング! 正直、曲はイマイチなんだけれど(もうちょっとキャッチーでもいいと思う)、ジョンの存在感と力強い歌声が、そんな弱点を補って余りある。因みにドラマーはXのD.J.ボーンブレイク。終演後、ジョンにサインをもらおうと思って待っていると、ジョンに挨拶しにきたライアン・アダムスとばったり。ライアンにウィスキータウンの日本盤のライナーを書いたことを告げると、日本盤が出ていることに彼は大喜びしていた。

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