EEF BARZELAY (CLEM SNIDE) interview

DON'T WANT TO SET THE WORLD ON FIRE

(C)LAST HURRAH

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容赦ないこの残酷な世界に授けるべきクレム・スナイドのアルバムを、
すでに2枚完成させたんだ

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初ソロ・アルバム『BITTER HONEY』をリリーした06年は、ソロ活動に専念していたイーフ・バースリー(VO,G)がついにクレム・スナイドを再始動!!

なるほど、昨年、ライヴ&ウェヴ・オンリーでリリースしたクレム・スナイドのライヴ音源集『HAVE A GOOD NIGHT LIVE RECORDINGS 1999-2005』は、その予告だったわけだ。

その『HAVE A GOOD NIGHT』にはオリジナル・アルバム未収録曲の他、興味深いカヴァーも収録され、ジャズ、カントリー、R&B、ポップなどをパンク由来のオルタナティヴな感覚で結びつけた都会のフォーク・ソングを演奏する彼ら(いや、イーフか?)の幅広いバックグラウンドを知る手がかりになるだろう。

そう考え、ベン・フォールズとのヨーロッパ・ツアーに旅立つ直前のイーフに話を聞いてみたんだけれど、イーフにする質問という意味では、ちょっとスクエアすぎたかもしれない。

ともあれ、現在、クレム・スナイドは6作目となるアルバム『HUNGRY BIRD』が待機中。SXSW出演も決まっている。


●他にもたくさんのライヴ音源を持っていると思うんですけど、今回、『HAVE A GOOD NIGHT』に収録されている15曲は、どんなふうに選んだんですか?

「僕らが持っていた全ライヴ音源から僕が見つけることができたベストかつ最も興味深い15曲を選んだだけさ」

●ニール・ヤングの「コルテス・ザ・キラー」、ソニック・ユースの「スキッツォフレニア」、そしてインク・スポッツの「アイ・ドント・ウォント・トゥ・セット・ザ・ワールド・オン・ファイアー」という興味深い3曲のカヴァーも収録されているけど、その3曲を取り上げた理由を、それぞれに教えてもらえますか?

「ただ好きなだけさ。だから、僕らはそれらをカヴァーすることに挑戦してみた……それ以外に理由なんて思いつかないよ」

●そう言えば、以前、クリスティーナ・アギレラの「ビューティフル」をカヴァーしてましたね?

「ああ。あれはアリックス(イーフの奥さん)のアイディアだったんだ。あの曲をやるのは楽しいよ」

●イーフがあの曲を歌うと、自分自身を讃える歌の内容が妙にアイロニカルに聴こえるんですけど。

「そう。僕は、あの曲が持っている皮肉が大好きなんだ」

●ソニック・ユースのカヴァーを聴き、クレム・スナイドがそもそもはニューヨークのアンダーグラウンド・シーンで活動していたことを改めて思い出しました。ニューヨークにいた頃、アンダーグラウンド・シーンの雰囲気からは何か影響を受けましたか?

「どうだろう? 絶対そうだとは言えないけど、僕は自分自身の経験や思考から影響を受けるタイプだと思う。だけど、ニューヨークって競争の激しいところだからね、常に自分がやっていることに集中しなきゃいけなかったり、できるかぎりベストを尽くすことが求められるようなところはあったな」

●今、イーフはナッシュヴィルに住んでいるけど、ニューヨークが恋しくなることはないですか?

「ニューヨークと僕の恋愛関係は、もう終わったのさ!! ハハハ。今じゃ僕はすっかり田舎者さ。だけど、時々、年老いたイカれた恋人か何かにみたいに恋しくなることがあるけどね!」

●ナッシュヴィルと言えば、ボビー・ベア・ジュニアとは仲がいいようですね。どんなふうに知りあったんですか?

「以前、シカゴで共演したことがあるんだよ。それ以来、いい友達さ。いろいろ親切にしてくれるんだ」

●どんな人なんですか?

「8歳の時、ボビーの親父とジョニー・キャッシュとクリス・クリストファーソンがポーカーをやっているテーブルにビールを運んでたような奴さ(笑)」

●ところで、『HAVE A GOOD NIGHT』ってタイトルは、どんなところから思いついたんですか?

「なんとなくね、思いついたのさ」

●『HAVE A GOOD NIGHT』で「新曲」と紹介している「ENRIQUE」はポップなロックンロールで、とてもいい曲ですね。『HUNGRY BIRD』には収録されるんですか?

「いや、たぶん入らないだろう。『HAVE A GOOD NIGHT』だけだと思うな」」

●『HUNGRY BIRD』は、いつリリース予定ですか?

「まだ、わからないよ」

●と言うことは、新しいレーベルはまだ見つかってないわけですね。

「今のところはね。だけど、今年中には見つけたいな」

●『HUNGRY BIRD』はどんな作品なんですか?

「これまで作った中で最もエモーショナルで、サウンド的にも最もストレートなレコードだよ。ただ、耳には心地いいとは思うけど、歌詞はほとんど死についてなんだ」

●また、ソロ・アルバムを作る予定はありますか?

「曲は書きつづけてて、それらがベストであってほしいとは思っているけど、ソロ・アルバムとしてリリースする考えはまだないよ。だって、容赦ないこの残酷な世界に授けるべきクレム・スナイドのアルバムを、すでに2枚も完成させちゃったんだからね」

●最後に、最近よく聴いているCDを教えてください。

「OSCAR CALLEの『CHANGO』だね。1930年代のキューバ音楽さ」


(インタビュー◎山口智男)



『HAVE A GOOD NIGHT
LIVE RECORDINGS 1999-2005』
CLEM SNIDE
(SNIDECO)




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