KING LOUIE interview

LIVING IN THE GUTTER, PLAYING LOTS OF POPPY STUFF

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『Memphis Treet』を完成させられるとは思わなかった。
だから、新たにブラック・ローズ・バンドを始めたんだ
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キング・ルイことルイ・バンクストン。

ガレージ界隈では、それなりに知られているこの男は、この20年間、実にさまざまなバンドで活動してきた。

アレックス・チルトンのプロデュースの下、アルバムを作ったロイヤル・ペンドレトンズ。

プリミティヴなロウ・パンクを炸裂させたパースエイダーズ。

エリック・オブリヴィアン、ジェイ・リータードと組んだワンショット・バンド、バッド・タイムス。

悲運のバンドとして、すでに伝説化しているパワー・ポップ・バンド、エクスプローディング・ハーツ。

自身のワン・マン・バンド。

しかし、それらは、そのほんの一部。彼が参加してきたバンドは20組を超えると言われている。

そんな彼が07年にリリースした『Memphis Treet』は、ジャック・オブリヴィアンら、メンフィスのガレージ・シーンの腕利きミュージシャン達と作り上げたロックンロール・アルバムの傑作だ。カントリーやブルースからの影響を窺わせると同時にキング・ルイのポップなソングライティングの才能をアピールする、このアルバムは今後、彼の代表作として愛されつづけることだろう。

07年にはブラック・ローズ・バンドとして、5曲入りのEPを自主リリースした。08年の秋は再結成ロイヤル・ペンドレトンズのメンバーとしてヨーロッパもツアーした。

いまだ精力的に活動を続けているキング・ルイが、知る人ぞ知る存在のままでは、あまりにももったいない。



●まず、自己紹介をお願いします。

「やあ、キング・ルイだ。ひょっとすると、ハラハン・ファッツって名前で、俺のことを知っている人もいるかもしれないね。今はルイジアナに住んでいて、自分のバンド、ブラック・ローズ・バンドでギターを弾いたり、ブルース・ミュージシャンのギター・ライトニン・リーのバンドでハーモニカを吹いたりしているよ。これまで、いろいろなロックンロール・バンドに在籍してきたけど、その2つが今、俺が真剣にやっていることさ。もっとも、生活するためにプロパン・ガスを売る仕事もやっているけどね(笑)」

●キング・ルイ&ザ・ルース・ダイヤモンズ名義でリリースした『Memphis Treet』について聞かせてください。あなたはジャック・O&ザ・テネシー・ティアージャーカーズが06年にリリースした『Jack-O Is The Flip Side Kid』の「Knick The Knife」でドラムを叩いていましたけど、そのラインナップはルース・ダイヤモンズと、ほぼ同じですね。ひょっとして、『Memphis Treet』は「Knick The Knife」と同じセッションで生まれたんですか?

「いや、違うよ。『Memphis Treet』のレコーディングは04年で、「Knick The Knife」は、ハリケーン・カトリーナ(05年8月)の罹災後、メンフィスに避難している間にレコーディングしたんだ。それにジャック(・オブリヴィアン)のレコードのラインナップは、ルース・ダイヤモンズとはちょっと違う。ジンボ(・マサス)がギターを弾いているだろ。俺達はジャックの家のリヴィング・ルームで、たくさんの曲をレコーディングしたんだ」

●では、ルース・ダイヤモンズは、どんなふうに始まったんですか?

「03年にジャックとハーラン(・T・ボボ)と俺で始めたんだ。何か考えがあったわけじゃないよ。たまたま、そんな話になったのさ。そして、その翌年、アダム(・ウッドワード)が加わった。もっとも、ルース・ダイヤモンズは年に1、2度しか集まれないけどね。でも、ブラック・ローズ・バンドは毎日、やっているよ」

●『Memphis Treet』は、あなたが以前やっていたパースエイダーズやケイジャンSSとは、ずいぶん趣が違いますけど、『Memphis Treet』を作るとき、どんなアイディアを持っていたんですか?

「ロイヤル・ペンドレトンズを辞めたときも、パースエイダーズが解散したときも、俺はカントリー・ソングやロックンロールを書いていたんだ。たぶん、だからバンドを続けられなかったんだと思うんだけど、みんなが知っているように、俺はポップ・ソングもずっと作ってきた。そういう曲を一緒にしてみたかったんだよ。これまでやって来たストレートなパンク・ソングとは違う一面を見せたかったのさ。実際、ルース・ダイヤモンズの曲を書いているとき、俺はギターでポップな曲をたくさん作ったよ。だけど、その頃、俺の暮らしはドン底だった。だから、ポップな曲調とは裏腹に歌詞はとても辛辣で、俺って人間のイヤな面が出ている(苦笑)。そういう意味では、うまくいったと思うけどね」

●『Memphis Treet』を聴いたとき、ジョニー・サンダースやハノイ・ロックスを思い出しました。

「ジョニー・サンダースもハノイ・ロックスも大好きだよ。前にフィンランドをツアーしたとき、(ハノイ・ロックスの)マイケル・モンローと共演したんだ。マイケルは俺の隣でハーモニカを吹いてくれたんだよ」

●『Memphis Treet』のジャケットでドナスのTシャツを着ていますね?

「ドナスが大好きなのさ。彼女達は俺のオールタイム・フェイヴァリットだよ。彼女達を愛さない理由が、この世にあるかい? 彼女達のウ○○だって、俺にとっては黄金のレンガさ。君は、彼女達のどの曲が好きなんだい? 俺? 俺はもちろん全曲さ!」

●『Memphis Treet』を完成させるのに何日かかったんですか?

「レコーディングは半日で終わらせたよ。だけど、(メンフィスのイーズリー・)スタジオが火事に遭い、レコーディング・データも一緒に失われちゃったんだ。その後、データがコンピュータのハード・ドライヴに残っていることがわかったんだけど、しばらくの間、俺は落ち込んだね。だって、アルバムはまだ完成していなかったんだからね。あと3曲、残っていたんだよ。でも、ハリケーン・カトリーナが来て、1年間、俺は何もできなかった。結局、残りの3曲はミシシッピにあるジンボのデルタ・レコーディング・スタジオで完成させたんだけど、完成させることができるとは、とても思えなかったよ。07年まで、何度も暗礁に乗り上げたからね。だから、俺は完成させることをあきらめて、新たにブラック・ローズ・バンドを始めたんだ」

●ブラック・ローズ・バンドについて教えてもらってもいいですか?

「いいよ。今、デルタ・レコーディング・スタジオでアルバムをレコーディングしているところなんだ。俺はこの1年半、ブラック・ローズ・バンドに専念してきた。カントリー〜ロックンロールの方向に進もうと思い、いろいろ試して、失敗もたくさんしてきたけど、失敗を理解することが大事なのさ。10-4バックドアーとかコンドーとかってバンドもやったけど、どちらもうまく行きそうになかったから、さっさとやめた。ハリケーン・カトリーナの後、俺はたくさんの曲を作った。90年代の後半から、こういうバンドを形にしたかったんだよ。ブラック・ローズ・バンドが形になる前に、ルース・ダイヤモンズとして始めちゃったけどね。だけど、これこそが俺がずっとやりたかったことなんだって思うよ」

●『Memphis Treet』セッションのMVPを一人決めるとしたら?

「ジャックさ。何たって、ジャックはセッションにふさわしいミュージシャンを集め、全てお膳立てしてくれたんだからね。俺はスタジオに行って、ただ演奏すればよかったのさ。だからこそ、俺は「Wheelbarrow Whiz (Jack's Theme)」を作って、『Memphis Treet』に入れたんだよ」


(インタビュー◎山口智男)



『Memphis Treet』
King Louie And The Loose Diamonds
(Empty)


『BRB』
Black Rose Band
(Self-Released)




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