LUCERO interview

ON THE WAY BACK HOME

(c)WES FRAZER

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サンフランシスコには女の子達の思い出があるのさ(笑)

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昨年(06年)10月、ルセロのライヴを見るため、彼らのホームタウンであるメンフィスまで行ってきた。

ライヴ当日(10月27日)の午後4時頃、有名なビール・ストリートの外れにある、およそ1500人規模のニュー・デイジー・シアターを訪ねると、ちょうど彼らがリハーサルを始めようとしているところだった。


リハーサル中のルセロ
「やあ」「やあ」とメンバーと挨拶を交わした後、リハーサルを見学させてもらったところ、けっこう大雑把にやっているんだろうと思いきや、とんでもない。けっこうシビアに音作りにはこだわっていたので、ちょっと驚きだった。

「いいサウンドだったかい?」とベン(・ニコルズ/ヴォーカル&ギター)に聞かれ、「いいサウンドだったよ」と答えると、ベンは「客が入ると、もっといいサウンドになるよ」と笑った。

リハーサルの合間、ベンとブライアン(・ヴェナブル/ギター)に話を聞いてみた。



●9月にリリースした最新アルバム『REBELS, ROGUES & SWORN BROTHERS』のプロダクションは、新しい世界に飛び出していこうとしているバンドの意思が感じられたけど、それにしても、なぜ、プロデューサーがデヴィッド・ロワリー(キャンパー・ヴァン・ベートーベン〜クラッカー)だったんですか?

ベン「(ニヤリと)スタジオについてきたんだよ」

●え?

ベン「俺達は、ただサウンド・オブ・ミュージックでレコーディングしたかっただけなんだよ。でも、デヴィッドはスタジオの所有者だからね(笑)」

●じゃあ、サウンド・オブ・ミュージックはどんなふうに見つけたんですか?

ベン「俺達の大親友のアメリカン・プリンセスがそこでレコーディングした2ndアルバムのサウンドがすごくよかったんだ。それで新作を作るときは、アメリカン・プリンセスの新作をプロデュースしたアラン・ウェザーヘッド(サウンド・オブ・ミュージックのエンジニア)に頼むしかないと思って、俺達のツアマネのギャリーにデヴィッドに話をしてもらったんだ。ギャリーは以前、キャンパー・ヴァン・ベートーヴェンのツアマネをやっていたからね。そしたらデヴィッドが自分もレコーディングに参加したいって言ってきてさ…わかるだろ?(笑)」

●ああ、そうなんだ(苦笑)。

ベン「でも、サウンド・オブ・ミュージックは、とてもいいスタジオだったよ。お蔭で、リラックスしてレコーディングすることができたけどね」

●なるほど。じゃあ、一緒にレコーディングしたいプロデューサーっていますか?

ベン「そうだな。(ブライアンに)誰かいる?」

ブライアン「スティーヴ・アルビニは?」

ベン「マジで!? アルビニって口やかましい奴なんだろ?(笑)」

ブライアン「ブッチ・ヴィグとはやってみたいと思うけどね」

●ブッチ・ヴィグ? また、どうして?

ブライアン「ニルヴァーナとかガービッジとか、彼が作るサウンドが好きなんだ。それにバンドの実力を引き出すことに長けているらしいよ。そう言えば、今、アゲインスト・ミー!はブッチとレコーディングしているらしいよ」

●ホントに!?

ベン「だけど、プロデュースは自分達でできるから、信頼できるレコーディング・エンジニアがいれば、正直、プロデューサーは必要ないけどね」

●確かに『THAT MUCH FURTHER WEST』はセルフ・プロデュースでしたね。

ベン「ただ、音楽ファンの中にはプロデューサー買いする連中もいるだろ? それを考えると、有名なプロデューサーと組むことも、まぁ、ありかなとは思うけどね(笑)」

●ところで、12月はドラッグ・ザ・リヴァーと、元プロミス・リングのデイヴィー・ヴォン・ボーレンのバンド、マリタイムと南東部をツアーしますね?

ベン「ああ、すごく楽しみだよ!」

●最高の組み合わせですよね。

ベン「ドラッグ・ザ・リヴァーは、いい連中だよ」

●この間、インタビューしました。

ベン「そいつはクールだ」

●プロミス・リングは好きだったんですか?

ベン「ああ。ライヴも何度か見たことがあるよ」

●そう言えば、ベンはジョウブレイカーも好きですよね?

ベン「ああ。彼らのライヴも何回か見たことがある。(ジョウブレイカーの)ブレイク・シュワルツェンバックは、素晴らしいソングライターだよ。本当にいい曲を書いていたと思うね」

●いい曲って、どういう意味で?

ベン「何て言えばいいのかな。彼の歌って本当に心の底から生まれてきたものって感じなんだよ。わかるかい?」

●わかります、わかります。最近、ジョウブレイカーのCDを、よく聴いているんですけど、ベンのフェイヴァリットは?

ベン「そうだな、『BIVOUAC』かな」

●『REBELS, ROGUES & SWORN BROTHERS』には「SAN FRANCISCO」って曲が収録されているけど、レッド40にも「FRISCO」って曲がありましたね?

ベン「ああ。19歳の時、初めてサンフランシスコに行ったんだ。ヒッチハイクしてね。いろいろ思い出があるんだよ」

●女の子の?

ベン「ハハハ、そうだよ。ある女の子、いや、女の子達の思い出があるのさ」

●05年のジャパン・ツアーはどうでしたか?

ベン「楽しかったよ。フロッギング・モリーのファンは、俺達のことも歓迎してくれたしね」

ブライアン「俺は食べ物が合わなくてやせちゃったけどね(※ブライアンはヴェジタリアンなのだ)」

ベン「ただ、俺達みたいなバンドと対バンしていたら、もっといいライヴになったとは思うけどね。そういうバンドと一緒に日本をツアーできたら、俺達、もっと日本で成功できるんじゃないかな」


(インタビュー◎山口智男)


地元ファンがルセロを大歓迎した



『REBELS, ROGUES
& SWORN BROTHERS』
LUCERO
(BULLION)




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