MARK OLSON interview

I PROBABLY USE THE WORDS "HEART", "LOVE" TOO MUCH, BUT I DON'T MIND




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ゲイリーと一緒にステージにいると、『ワオ!』って感情や感覚を受けるんだ

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トロント近郊ミジサガ市のホテル。朝10時。
タクシーから降りると、目の前には眠そうな目をした男がタバコを片手にコーヒーを啜りながら、ホテル入り口のベンチに座っていた。

「もしかしてマーク・オルソン……ですよね?」
驚きと興奮を抑えながら尋ねると、柔らかい笑顔とともに『そうだよ』と。
10時のアポイントの時間に合わせてわざわざ玄関で僕を待っていたなんて思わないが、嬉しいものだ。
一緒にタバコを吸ったのだが、あくびはするは眠そうに目をこするわ……。ある意味、とっても失礼な態度なんだけれど(笑)。
まるで彼の住むジョシュア・トゥリーに流れるゆっくりとした時間が、彼の血液にも含まれているかのようだ。つまり自然体なのだ。

ジェイホークスのポップな要素はメロディーからのもの以上に、マーク・オルソンの性格的なポップさ、キャッチーさが醸し出していたのかもしれない。
だからマーク脱退後の2作品は必然的にあのようなダークさ、ゲイリー・ルーリスの苦悩が含まれたのだろう。同時に『RAINY DAY MUSIC』でゲイリーは、彼自身の性格的変化、つまりマークのようなキャッチーな性格を身につけたと捉えることができるのではないだろうか。

その最大の理由は9・11テロにより、再度マークと友人関係に戻れたことが大きく関係しているはずだ。マーク抜きで“ジェイホークスの音楽”を作れたことで、自信も得ただろうし、バンド活動に終止符を打つ決意ができたのだろう。
ゲイリーにとってマークは親友の枠には収まらない、大切なパートナーであることが容易に想像できる。

マーク・オルソン。柔らかい物腰で楽観的過ぎるきらいがありそうだが、憎めない面白い男だ。



●ジェイホークスを去るとき、どのような気持ちだったか、またどのような言葉で切り出したか覚えていますか?

「当時数曲だけ披露するというスタイルのウォームアップ・ツアーをたくさんやっていたんだ。そこで、何て言うか……何て言えばいいのかな〜、(辞める)時期がきたと感じたと言うか……」

●ゲイリー・ルーリスなど残ったメンバーはさぞ驚いたと思うのです。

「うんうん。俺も驚いたよ。もし当時に戻れるのなら俺はバンドを去ってなかったと思う。でも当時、ヴィクトリアと結婚して直ぐだったし、彼女と一緒に音楽を作りたかったんだ。考える能力を失っていたよ。ここ最近はまるで昔へ戻ったかのように、ゲイリーと曲を作り終えたし、ツアーも行なった。今なら2つのことを同時に行なえるだろう。でも、俺は頑固な性格だったし、ロックンロールに対する情熱も薄れていたんだ。当時、家も買ったばかりで修復や改築に1年を費やしたし、そこで楽しく音楽を作れた。そうこうしているうちに『バンドを去ろう』という気持ちが出てきたんだ。彼らは驚いただろうし、俺も驚いたよ。それにどんな将来が待っているかなんて、俺には何も見えていなかった。でも、最終的にはうまく進んだんじゃないかな。当時のジェイホークスは音楽ビジネス界により足を踏み入れようとしている時だった。俺は、ちょっと身を引きたいと思ったんだよ。今は、音楽とビジネスをどうつなぎ合わせ、どう向き合えばいいのか、その方法が身についたと思うよ」

●ゲイリーとは本当に仲がいいですね。

「うん、先日ミネアポリスで会ったばかりだよ」

●共作者としてゲイリーをどのように思いますか?

「おー。最高の共作者だよ。ちょうど新曲を一緒に作り終えてツアーをした直後なんだけれど、彼の詩やメロディーを混ぜ合わせると、とっても良い感じになるんだ。2人だけのツアーも最高だった。アコースティック・ギター2本だけなのに、バンドとともにやるよりもよっぽど優れていたと思う。俺達2 人だけで歌を歌う。何て言うか、ステージ上にいると『ワオ!』ってな感情、感覚を受けると言うか、強烈な何かがあったよ。ジェイホークスにいた当時だってこんな感覚を味わったことはなかったんだ。当時はそれこそ音楽と関係のない事柄、それこそビジネスについてもその一つだけれど、いろいろな感情や感覚がはびこっていたからね。でも、このツアーこそピュアなものであり、俺がいつも好きなもの、求めているものなんだよ」

●ジェイホークスを去ってからは一人のファンという気持ちはありましたか?

「あったよ。『RAINY DAY MUSIC』は最高にいいアルバムだった」

●バンドを去って以降のアルバムをどのような気持ちで聴いていましたか?

「『RAINY DAY MUSIC』がベストだね。このアルバムが出てからゲイリーとは2回ほどツアーをしたんだが、このアルバムから曲も取り上げているし、あのアルバムはよかったよ」

●それ以外のアルバム、つまりあなたが去ってからというもの、ゲイリーは何か違うもの、過去のジェイホークスとは違う音楽に取り組んでいたと思うのですが……。

「確かにね。でもゲイリーはいつもポップ・ミュージックの要素をバックグラウンドに持っているし、俺はもっとフォーク・スタイルだ。今はちょっと面白い状態さ。彼はもっとフォーク的なアプローチで俺はポップな感じ。でも常に浮かんでくるアイディアに対して正直に向き合い、作っていくのが音楽でさ。みんなが試みていることってこうなんじゃない?」

●ゲイリーとあなたは長い間、共作者という関係を保っていますが、レノン&マッカートニー、ストラマー&ジョーンズ、ファラー&トゥイーディーなどは共作者としての関係が悪化したためにバンド存続が難しくなりましたよね。どうしてこんなにも長く友人関係を保てているのだと思います?

「う〜ん、まぁ、結婚するまでの間に長い間一緒にいろいろなことに取り組んでいたからね。思うに、僕らは自分が感じることに向き合って取り組めていたんだ。つまりお互いやりたいことをやりたいように行なうと同時に、相手の行動にいちいち目くじらを立てないという同意があったと思う。それがそもそもの基本でさ……」

●ゲイリーとあなたは、そうした過去の人達と何が違うのでしょう?

「まぁ、彼らのことを俺は知らないからな。人間的にどういう人達だったのか知らないし……」

●リスペクトするということがうまくできていたと?

「うん、俺はゲイリーをとてもリスペクトしているよ。たぶんそれが大きな理由じゃないかな? 後は、ビジネスなども関係していると思う。ビジネスって人間関係を粉々にぶち壊す力があると思うんだよ。そういう意味で俺は、ちょっと離れたところにいたわけだしさ」

●ゲイリーは『自分が好きな全ての音楽を混ぜ合わせたような音楽をやりたかった』と言っていたのです。で、彼の言う“全ての音楽”の意味はよくわかるのですが、あなたはまちがいなくよりフォーク寄りですよね?

「うん、やっぱフォークやカントリーだよね。これらの音楽って詩やメロディーがまだまだいろいろな可能性を含んでいるといつも感じるんだよ」

●パンク・ロックをはじめ、他の音楽に興味、感心はありますか? また何か影響を受けているジャンルってありますか?

「ベス・オートンの音楽はよく聴くし、彼女のアルバムはどれも素晴らしいと思う。巷じゃ彼女はフォーキーって言われているだろうけれど、俺にはハード・ロック寄りに聴こえちゃうんだけれどね(笑)。『セントラル・レザベーション』はとても良いアルバムだよ」

●パンク・ロックは聴きますか?

「聴いたよ。今は聴かなくなったけれど、クラッシュは好きだったよ。彼らは強烈な個性を持ったバンドだったし今でも好きだよ」

●リプレイスメンツなどもですよね?

「もちろん。ポール・ウェスターバーグはとにかく最高さ。「SIXTEEN BLUE」や『LET IT BE』はとにかく聴きまくったよ。まさに人それぞれ曲の書き方があるんだという証明さ。俺達にも俺達にしかできない曲の書き方があったようにね。きっとこういうのが、人それぞれやり方や考え方が違うということであり、人々の違い、ユニークさ、個性となるんだと思うな」

●最近のアーティストは聴いていますか?


「さっきも言ったようにベス・オートンとかさ、アイリス・ディメント、ルシンダ・ウィリアムスとかさ」

●まったくの新人は?

「笑)そういう意味でか。名前、忘れちゃったんだけれど、女性がバンジョーを弾いていて中国語で歌っているのさ。聴いたことある? 1曲そうやって中国語で歌っていて、彼女は中国に住んでいたようだし、バンジョーを弾くんだ。だめだ……名前が出てこないや。でも、新人も聴いていることは聴いているけれど、やはり60年代などのフォーク・ミュージックを好むよね。変かもしれないけれどさ(笑)」

●「DECEMBER'S CHILD 」(因みにヴィクトリア・ウィリアムスは12月生まれでそこからタイトルは生まれている)で再びゲイリーと共作をしましたよね。で、ツアーもした。観客のリアクションはいかがでしたか?

「俺達は数回しか一緒にツアーをしていないから、まだリアクションをどうこう言うのは早いと思うよ。まぁ、あの曲は当初、映画のサントラ用に録音したんだけれど、俺達はアルバムに入れることにしたんだ」

●そういえば2人のアルバムを制作中とのことですが?

「うん、今まさにだね。ちょうど12曲作り終えて、10月頃にレコーディングをするつもりさ。だから今、とても楽しみにしているところさ」

●ツアーなども計画中ですか?

「うん(頷きながら)。ゲイリーはそんなことも言っていたね。どれくらいの期間かは分からないけれどね。ゲイリーってさ、よくそういう話をするんだけれど、必ず“やり過ぎない程度”ってことを気にする奴なんだ(笑)」

●(笑)ゲイリーと一緒にまたツアーをしてどんな気分でした?

「最高だったよ。本当に気分よかったなー。今までたくさんツアーしたけれど、この間のツアーは一番のツアーといっても過言ではないよ。さっきも言ったけれどピュアな気持ちで、純粋に、そしてシンプルに楽器と声だけで歌を聴かせることができた。クリークディッパーズとは違う世界があったんだ。クリークディッパーズは当時、音楽だけではなく、パントマイムや踊りなどコメディー的なスタンスも組み入れていたんだ。そういう意味でゲイリーとは……音楽にのみ焦点を当てられたからね」

●ゲイリーとのツアーはバンドとともにと言うより、2人でのほうがいいと思ってそうですね?

「そうだね!」

●ゲイリーとのハーモニーと、ヴィックとのハーモニー。まったく異なるハーモニーを作り出していますよね。

「まったくもって違うね」

●ゲイリーとはビートルズ・ハーモニーのような感じをイメージしたという記事を読んだことがあるのですが、ヴィックとはお互い歌いたい方向に歌い、結果ハーモニーとしてできあがるというような自発性が感じられますがいかがです?

「ヴィックは自発的だね。うん、確かにそうだ! OK。よく聞けよ。ゲイリーは多くの場合メロディーを歌うんだ。俺はその下へいくことが多い。時間とともに俺達のハーモニーは当然、よりタイトで声質自体も良く混ざって綺麗なハーモニーへと進化していっている。逆にヴィックの場合は、もちろん進化しているよ。でも、時間はよりかかると言える。何回もくり返すことでお互い良いハーモニー・ラインを見つけるんだ。でもね、お互いのラインが良くなったからといって、必ずしも良いハーモニーが生み出されるとは限らないのがヴィックとのものなんだよね。だから時間もかかるんだ。彼女とのハーモニーは2つのまったく異なる声から成り立つものなのさ。とっても良くなり得る要素を持っていると同時に、いつまでたっても交わらないで、煩わしいものにもなり得るんだ。時と場合によるんだよ。だからヴィックとは即興的要素があると言える。タイトなハーモニーではないし、まるで2 人のシンガーが一緒に歌っているだけというスタイルかもしれないけれどね。もちろん俺はゲイリーもヴィックも、両方のハーモニーが大好きさ」

●あなたはメインストリーム、インディー・シーンと両方の音楽シーンを経験していますが、メインストリームで音楽をやるメリットはなんですか?

「メインストリームでは何て言うか、少し後ろに下がっていられる。つまりバスに乗り込めば目的地に着く。機材が運び出されステージで演奏すればいいだけだ。インディー・シーンではその過程、作業を全て自分で行なわなければいけない。でだ……」

●なぜ、こんなことを聞いたかというと、時々不思議に思うんです。メインストリームとインディー・シーンの違いってほとんどないんじゃないかって

「音楽的に? そりゃーそうだ。何も違わない。違いはビジネスにおいてだけさ」

●どちらのシーンで音楽を作る、演奏したいですか?

「両方の要素をミックスしたシーンにいたいな。自分でセッティングなどはしたいけれど、ブッキング・エージェントなどはいてくれたほうが助かるからね」

●ソロ・アルバムについて話しましょう。どのアルバムからも自然、木や動物の声、川の流れなどが感じられるのです。言い換えればフォーク・スタイル・ミュージックがジョシュア・トゥリーに流れる風をリスナーの元へ運び込むといった感じです。これはあなたの狙いの一つなのでしょうか?

「そうだね〜。俺が曲を作るときって誰かをロマンティックに描くことや過去に起こった悪いことをモチーフにストーリーを書こうとしているんだ。一定期間考えて、ある一つの物語になるように描こうとしているんだよ。頭でストーリーを考え、曲に組み入れていく。まぁ、一種の……ドラマって言えるかもね。歌うというより“話していく”という感覚に近いかもしれないんだが……」

●(曲を書く上で)どこに住んでいるかというのは重要な要素になってきますか?

「う〜ん、いや、必要な要素ではないだろうね。そうは思わない。でも、でもね、長年砂漠に住んでいて、そこで生まれるストーリーを描いていることは確かだ。そこで見たものに想像力を加えてさ、練り上がったら曲にしていくのさ。当然いろいろな変化を加えながら曲にしていくのさ」

●あなたの詩は特に難しい単語がありませんよね?

「使ってないね。意識してそうしている。俺はシンプルな詩を書こうとしているんだ。シンプルな言葉、表現を繋げて、シンプルな解釈を促したい。みんなが考えてそうなこと書こうともしている。もしかしたら自分自身に話しかけているようなものかもしれない。その方法ってよくないやり方だっていうのはわかっているさ。でもね、必ずしも悪いと断定はできないんだよ。俺が使うシンプルな言葉はクリシェ的な表現にならないように気をつけているんだ。歳をとっていくとこうした表現も同時に深まっていくもんでさ。たぶん、"HEART"や" LOVE"などはかなり使っていると思うよ。でも俺は別に気にしないさ。なぜってそれらについてたくさん思うことがあるからさ」

●なるほど。僕もあなたは身近な題材、例えば愛についてだとか、自然についてだとかを歌うシンガー・ソングライターだと思っていたのです。だからこそ、『POLITICAL MANIFESTO』を発表したときはとても驚いたのです。

「(笑)なるほどね〜」

●全ての曲がとても直接的にアメリカ政府批判をしていますよね? あのアルバムでは人々の意見、考え方を変えることを試みたのか、それとも悪いものを洗いざらい吐き出して浄化させようとしたのか? それとも他に何か狙いがあったのですか?

「いやいや、まったく違うんだよ。これは子供時代の回想みたいなもんなのさ。だってな、俺は政府機関や弁護士など、そういう奴らが何をしているのか、どんな仕事をしているのかってことに興味があったんだ。実際、俺の親父はこれ関係のことに従事していたんだ。だから俺はいろいろなことを見たりしていたと思うし、話も聞かされたと思うんだけれど、はっきり言って俺は何も知らないし、分かっていないんだよね。何てて言えばいいのか分からないけれど、子供達ってくだらないことで言い争ったり、いばり散らしたりするよね。で、結末は“お前は俺達の味方か? それとも敵か?”ってな話になる。いまだにそんなことって起こっていると思うんだよ。どんなリアクションを起こすかは人それぞれでいいと思うんだけれどさ。つまりさ、もし誰かが君の肩なんかをどついたりしてさ、コーナーへ追い詰めたとするよね。君が取れるアクションって2つだと思うんだよ。その場を逃げ去るか、そいつのことを罵るしかないんだよね。そんな視点が今、及ぶ範囲なんじゃないかなって思うんだ。で、俺は後者を選択し、曲をそちらの方向へ向かわせたんだ。でも同時に俺は“小鳥さんのスピーチ”を、俺流のロマンティックな解釈で曲にしたんだ。いいアイディアだと思ったよ。だって奴は自分の価値観を投げつけてきたり、脅したりさ……。その光景ってまるで凄いステージで面白い劇でも見せられている気分になる。単なる素晴らしい劇場っていうだけでなくてさ……。だってそのステージには誰もが上がれるわけじゃないんだから。とにかく、もし奴がたったの33%の人々にしか承認されていないとしたら、まぁ、いまだに奴の公演は継続中だがさ。だから……」

●なんで人々は変化を望んでいるのに投票へ行かなかったんだと思います?

「(分からないな〜。俺も必ず変わると思っていたからね。結局、感じ方や考え方ってそう簡単に変わることじゃないわけでさ。ブッシュは真のアメリカ人を見事に象徴している人物だと思うよ。でも決して現代アメリカ人ではなく、一昔前のカウボーイ野郎さ。何て言うか、例えば“俺達がNO.1!”とかフットボールの試合のようなやりあいの続く戦争とかさ。いばり散らしている奴らはやっぱそれら全てに惹かれるんじゃないかな。何て言えばいいか分からないけれど、俺はこの問題に対しては蚊帳の外から眺めるっていうスタンス
だからさ」

●シンガー・ソングライターの中には政治的なことを歌うことは仕事だという人もいれば、政治と音楽は区別するべきだという人もいますね。なぜなら音楽は文化であり楽しむためにあるからだと。今の心境はどちらに賛成ですか?

「俺はどちらということもないよ。誰か歌いたければ歌えばいい。それに対して、俺にはセオリーなんてないよ。新作はそんなレコードにならないことは分かっているしね。実際もう『POLITICAL MANIFESTO』で歌ったわけだしさ。俺はアルバムを作ったけれど、このアルバムはアメリカでは発売されていないし、ほとんどの人が知らないわけだ(失笑)。でもそれはたいした問題じゃないんだよ。本当に少数の人が知っているだけでさ。ヨーロッパでは出たんだけれどね」

●なるほどね〜。いつもヴィックとラッセルとツアーを行なっていますが、どんな気分ですか?

「最高だね」

●(ツアー中に)いつも家にいるような錯覚なんてありますか?

「うん、あるよ。その感覚こそ2人とツアーする理由みたいなもんさ。彼らとは家族のような感覚を共有できるんだ。そんな感覚をツアー中に抱けるなんて驚くだろうけれど、彼らとはいつもそうなんだよ。こうした理由が俺を引き寄せるんだよね」

●どうしてアルバム・ジャケットにご自身の写真を使うのですか?

「なんで? みんなが俺だと気づくし、分かりやすいだろ?」

●僕はとても好きなんです。あなたやヴィックがどういう生活をしているのか、ジョシュア・トゥリーがどういう場所かをイメージできるんですもん。

「そのとおりだね。人々にイメージを与えられるね。それがまさに理由だよ。もしもアートだったら、みんなミュージシャンがどんな奴なのかわかんないだろ?」

●ジョシュア・トゥリーのどこに魅了されていますか?

「自然だね。広大なスペース」

●ミネアポリスとの違いは?

「ミネアポリスはせわしないんだよ。渋滞はあるしさ。ジョシュア・トゥリーはとにかく渋滞がないところが好きだな」


●ジョシュア・トゥリーはスロー・ライフが送れる所のようですね。

「うんうん! その通り!! 人々はスケジュールなしの生活をしているよ(笑)」



(インタビュー◎山本尚)


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