昨年、初めて彼のライヴを観た某ライターさんは「こいつが女性の母性本能をくすぐるのは、男の俺にも分かる」と言ったが、そうなのだ、ライアンは完璧にくすぐり系。実際、エミルー・ハリス、ギリアン・ウェルチ、マリアンヌ・フェイスフル、シェリル・クロウ、ルシンダ・ウィリアムス…といったお姐様方から共演などをきかっけに可愛がられている。しかし、それと恋愛は別。「俺だって幸せになりたい」とぼやきながら、なかなか幸せになれない男。そして何を血迷ったか最近では「落ち着いた30代を送りたい」などとも言っているらしい。うーん、幸せになって落ち着いちゃってつまらない男になるよりは、今みたいにやんちゃなきかん坊でいて頂きたいと思うのは、私が彼の友達でなきゃ、ましてやガールフレンドでもないからだろうな、きっと。
99年、ウィスキータウン消滅後の彼はNY在住のガールフレンドを頼って上京。彼女は所属レーベルの社員だったという。けれど、うまくはいかず、20ポンド(約9キロ)痩せた彼は、失恋の痛手を切々と綴り名作『ハートブレイカー』を生み出すことになる。そして00年末には新しいガールフレンドを追ってロサンゼルスに移住。ところが、このガールフレンド(詳細不明)とも長くは続かず、またも失恋ソングを書くことになる。が、その途中で新しい恋を見つけた彼。今度はもうちょっと明るいアルバムにしよう! ということで出来上がったのが『ゴールド』だった。新しい恋のお相手は、女優ウィノナ・ライダー。 01年11月、私がサンフランシスコに彼のショウを観に行った際、「今日はウィノナが来る」と、ツアー・マネージャーがせわしなさそうにしており、「女優さんを迎えるのも大変なこっちゃ」と思ったのを覚えている。しかし、その恋もウィノナの万引き以前に破局。でも、万引きした時には、ライアンとなぜかコートニー・ラヴが「彼女はそんなことする娘じゃない!」と庇っていた。そう、コートニーにも可愛がられてるのだ、この男は。
(赤尾美香) |