LAST HURRAH

        祝・初来日!! ライアン・アダムス特集

        column ★ ライアンと先輩、そして友人達
        「世渡り上手? それともさみしがり屋ゆえの人懐っこさか?」


すでに何回か書いたことだけれど、00年のSXSWでライアンに初めて会ったとき、彼は元Xのフロントマン、ジョン・ドォに挨拶しに来たところだった。

へぇ、尊敬する先輩にちゃんと挨拶しにくるなんて偉いじゃんと、その時は妙に感心したものだけれど、その数日後、アレハンドロ・エスコヴェードが主催するライヴでライアンに偶然再会。きっとライアンはエスコヴェードに挨拶しにきたにちがいない。なぜなら、エスコヴェードと言えば、改めて言うまでもなく、ウィスキータウン時代、『Strangers Almanac』収録の「Excuse Me While I Break My Own Heart Tonight」でライアンとデュエットしていたこれまた大先輩だ。

因みにライアンはエスコヴェードが84年〜87年の間やっていたバンド、トゥルー・ビリーヴァーズの大ファンで、ウィスキータウン時代、ライヴで彼らの「The Rain Won't Help You When It's Over」を、よく取り上げていたそうだ(ナルホド、改めてその曲を聴いてみると、確かにウィスキータウンがやるにはぴったりの曲だ)。

96年、シカゴでウィスキータウンがエスコヴェードの前座を務めたとき、初めてエスコヴェードに会ったライアンはきっと足をバタバタさせて感激したんだろう(なんて)。

Ryan 因みに、ライアンはウィスキータウン時代、Xの別動隊ニッターズのトリビュート・アルバム『Poor Little Knitter On The Road』に参加。また、アレハンドロ・エスコヴェードの01年発表のアルバム『A Man Under The Influence』では「Don't Need You」「As I Fall」の2曲でコーラスを披露している。

数々のトラブルや不遜な発言で知られるライアンも先輩達に対しては、ちゃんと礼をつくすわけだ(え、世渡り上手?)。

いや、先輩に対してだけじゃない。

ピンクハーツを辞めたジョン・ポール・キースが新たに始めたステイトサイドのデビュー・アルバム『Twice As Gone』では1曲コーラスで参加しているし、ニューヨークで知り合ったソウル・ブラザー、ジェシー・マリンのソロ・デビュー・アルバム『The Fine Art Of Self Destruction』ではプロデュースまで買って出ている。

ああ見えて、案外、友情に厚いのかも。あるいは、さみしがり屋ゆえの人懐っこさか?

いずれにせよ、そういうかわいいところもライアンの魅力の1つにはちがいない。


(山口智男)


(写真)ライアンとアレハンドロ・エスコヴェード
(NO DEPRESSION #10 97年7-8月号より)





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