Vol. 1

カウボーイ・ブーツは持ってきたかい!? イーハー!
世界最大規模の音楽見本市の模様をレポート


文と写真◎山口智男

毎年3月半ば、テキサス州オースチンで開催されている全米、いや、世界最大規模の音楽見本市サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)。20周年を迎えた今年、その出演者はついに1400組を超えてしまった。その規模は最早、世界最大と言っても過言ではないだろう。
音楽三昧の4日間、どれだけのライヴを見ることができたのか?
その模様をSXSW開催中のオースチンでの過ごした方と合わせレポート。



3月14日、火曜日。

午後5時過ぎ、ミネアポリス経由でオースチンに着いた頃には、あまりの長旅にすでにヘトヘトに。日本からの直行便がないオースチンは、やっぱり遠い、遠すぎる! スーツケースを待っていると、「ちょうど今、着いたばかり」というロンサム・ロッキン・エンペラーことダス・ブートの早川哲也氏に遭遇。確か、サンフランシスコ経由の彼の便は僕の便よりも2時間遅れで成田を飛び立ったはずなのに到着時間がほとんど一緒とは。うーん。
 タクシーを拾い、ダウンタウンのラ・クィンタ・イン・オースチン・キャピトル(300 East 11th Street)に投宿。僕らが泊まった404号室には、冷蔵庫と電子レンジが備えつけられていた。ラッキー。

シャワーを浴びたあと、コンヴェンション・センターに行き、バッジ(写真つきのパス)を貰うと、その足で6thストリートとノース・ラマー・ブールヴァードの角にあるホール・フード・マーケット(525 North Lamar Blvd.)に行き、食料と酒を購入してから、そのとい面にあるウォータールー・レコード(600-A North Lamar Blvd.)でニーコ・ケイス、ソールダッド・ブラザーズ、セイ・エニシングのCDを買い、ホテルに戻る。
 空港で早川氏に会ったとき、今夜、ルーム701 (701 Red River)でゴーチ・フォックのライヴがあると聞いていたけれど、疲れきっていたので、巻き鮨を食べ、ワインを飲んだあと、ニーコ・ケイスの『Fox Confessor Brings The Flood』を子守歌代わりに午後11時には寝てしまった。



3月15日、水曜日。

午前7時、起床。食堂で朝食を食べたあと、のんびりと出掛ける支度を整え、11時頃、ホテルを出る。
 この日は、まず、昨日、カメラを忘れたため貰いそこねたフォトグラファー・パスを貰いに、まずコンヴェンション・センターへ。そこで偶然、クレム・スナイドのイーフ・バーズリーの奥さん、アリックスに4年ぶりに再会。明日、イーフのライヴを見にいくことを告げ、別れる。
 その後、ディロ(ダウンタウン内を走っている無料バス)で、テキサス大学があるグァダルーペ通りに行き、アーバン・アウトフィッターズ(2406 Guadalupe Street)で買い物。付近の古着屋を冷やかしたあと、近所のレストラン、ケイン・アンド・アベルズ(2313 Rio Grande)でランチ。


その後、とりあえずホテルに戻ろうと、バスを待っていると、再びホテル方面に向かうディロにタイミングよく乗ることができた。
 ホテルで休憩したあと、午後4時頃、インダストリー・オブ・ミュージック主催のフリー・ライヴを見に、タップ・ルーム・シックス(311 Colorado Street)に。
 ここではコーデロ、パティー・ハースト・シフター、スコット・H・バーラム、モーナーズのライヴを見ることができた。






Cordero


Patty Hurst Shifter

Scott H. Biram

The Moaners
ただ、夕方の中途半端な時間だったせいか、客もまばらで、出演アーティストの演奏にもいまいちが熱が入らない。長めのインプロヴィゼーションを聴かせたモーナーズの新曲は、非常に興味深かったものの(演奏が終わったあと、ドラムのローラ・キングに話を聞いたところ、今年中には新作のレコーディングを始めたいと言っていた)、たった一人で熱演をくり広げたバーラム以外、まったりした空気の中、どのアーティストも盛り上がりを作れず、残念だった。
 モーナーズの演奏が終わると、すでに8時近かったので、8時55分〜のジャックス・マネキンを見ようと思い、そのままワーナー・ブラザーズのショウケースをやっているラ・ゾナ・ロサ(612 W.4th)に。
 いよいよSXSW第1日目に突入だ。
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